2023 ジャパンモビリティショーで学んだ3つのポイント

Translated by Shiho Baisho

今回はサガコンサルティング創業者アンソニー・グリフィン氏が注目し、レポートしたジャパンモビリティショーに関する記事「3 Takeaways from the 2023 Japan Mobility Show」の日本語翻訳版をお届けします。

東京モーターショーが4年ぶりに帰ってきました。パンデミックによる中断を経てジャパンモビリティショーと名前を変えたこの日本の自動車業界を代表するイベントは、一般的な自動車ショーにが展示する内容以上の幅広いテーマを用意し見事に戻ってきました。ジャパンモビリティショーは、そのリブランディングに忠実に、自動車だけにとどまらない幅広いテーマを展示し、パーソナル・モビリティからプライベート・ジェットまで、移動に役立つものなら何でもありのイベントと進化を遂げていました。

無類のクルマ好きである私は、今回も数時間を割いてこのイベントに参加。ぜひ、みなさんとシェアしたいのは、ジャパンモビリティショーからの学びと今後の期待を含めた3つの点です。


1. 新テーマで駆け抜ける出展者

2009年に来日して以来、東京モーターショーには毎回足を運んでいますが、今年のモビリティショーはその中でも群を抜いてユニークなものでした。等身大の空飛ぶクルマのコンセプトや、パーソナルモビリティに重点を置いたものなどが、広大な会場(東京ビッグサイト)中に展示されていました。出展者たちは、このショーが単に最新のクルマのラインナップを披露する場ではなく、「移動」というコンセプトについて新しく提案する場であるということを理解し、様々な表現をしていたのです。

今後は、この「移動」を表現するというコンセプトが、私のようなクルマ好きだけではなく、多くの人々にショーの魅力が広めることを期待します。主催者の日本自動車工業会(JAMMA)によると、2023年のジャパンモビリティショーの来場者数は112万2000人。ショーの内容が広く認知され、次回の来場者数はもっと増えるでしょう。

2. 既成概念を取っ払おうとした自動車業界

新たなテーマで生まれ変わった東京モーターショーでは、出展各社が過去15年間とは比較にならないほど独創的な試みに挑戦し、様々な表現をしていました。例えば、マツダはメインフロアで、伝説のマツダ・ロードスター1台だけを展示していた。唯一の例外は、魅惑的なコンセプトカー、マツダ・アイコニックSPが主役だったことだ。これらはすべて、私のようなスポーツカー・マニアにとっては喜ばしいことだった。一方、マツダCX-60クロスオーバーのようなオーソドックスなクルマを求める人は、会場の外で行われる試乗会の予約を取らなければならなかったのです。

スバルの展示スペースではマツダとは逆の表現をしていました。スバルのスポーツ・モビリティ・コンセプトを除いて、スポーツカーは展示されていませんでした。クロスオーバー、ワゴン、SUVなどだ。WRX S4の走行感触を確かめたければ、試乗の事前予約が必要だった。

 学び:今後、ジャパンモビリティショーに参加する予定がある方は、事前にウェブサイトをよく見て、体験したいクルマにアクセスできる場所と方法を正確に把握しておくことをおすすめします。会場は平日でも驚くほど混雑することがあるので、事前の計画が重要。

とはいえ、すべての自動車メーカーが従来のオーソドックスな展示の方式を変えたわけではありません。例えば、日産はすべてのラインを展示。事実上、彼らが生産する(あるいは生産予定の)すべての車両が展示され、人混みでごった返していても、日産の展示車をこの目で見たい多くの人が押し寄せていました。

3. 内外で進化し続けるショー

東京モーターショーが休止していた数年の間に、このイベントは大きく変化し、会場内だけではなくから東京・有明の街や屋外エリアに飛び出し、フェスティバルのようなものに進化していました。今年のショーは、屋外でのイベントや試乗会にも力を入れており、前述したように、いくつかの車種は、東京のシンボルである東京ゲートブリッジを背に屋外会場で特別に試乗されていました。

モータースポーツ・ファンには楽しみがたくさんあった。今年最も熱狂的だったイベントのひとつがジムカーナ競技であり、ベテラン・ドライバーたちがあらゆるメーカー、モデル、年式、ドライブトレインのタイプの車を、トラクションの限界を超えて駆け抜けていました。

ジャパンモビリティショーの未来

JAMMAは、急速に変化する自動車業界において、ジャパンモビリティショーが常に適切で最新な存在であり続けるよう、これまで以上に全力で取り組んでいるようにみえます。JAMMAがこれほど将来を見据えたショーはかつてありませんでした。モーターショーをモビリティショーとして再定義することで、JAMMAは広く世の中にアピールするイベントを作り出そうとしているのです。平日の午前中に東京ビッグサイトに押し寄せた熱心な来場者たちと、その混雑ぶりを見る限り、JAMMAはこの試みに成功したと言えるでしょう。


 最後までお読みいただきありがとうございます。